中西商店の2Fギャラリースペースを使った本格的な展示の第三弾は、EMMA COFFEEのロゴマークや商品パッケージのデザインにも関わって下さったイラストレーターの玉村へビオさん。
「架空の企業とか、映画とかのポスター作りましょうか」と提案を頂き、とても面白そうな展示になる予感がした。
幼少期は昆虫博士になる夢を持っていたほど昆虫に詳しく、動物や植物、各国の神話などにも造詣が深いへビオさん。独特の雰囲気を纏った彼の空想の世界を、A2サイズの大きなポスターの中に表現する。彼を知っている人ならワクワクしない人はいないのではないだろうか。
展示があると知ってきた人も、たまたま立ち寄った人も、作品の力に吸い寄せられるようにギャラリースペースの方へどんどん足を運んでくれた。
語弊があるかもしれないが、へビオさんの絵はとてもかわいいと僕は思う。
でも、ただ可愛いだけではない、懐かしさや少しの怖さも感じる不思議な魅力がある。
あるお客様とへビオさんが作品を見ながら話していた
「へビオさんの絵は、北欧っぽさもあるし、日本の古い時代のものっぽさもありますね。」
「キリスト教が広まる前の北欧のデザインとか、アイヌのデザインとか、自然信仰の頃の民族から生まれるモノって、国や地域が違っても不思議と似てくるんですよ。」
自然を愛するへビオさんが生み出すデザインに僕たちが魅力を感じる理由のひとつは、そういった人のプリミティブな感性に触れる何かがあるからかもしれない。
作品展を見て帰る時に感想をわざわざ僕たちに言いに来てくださるお客様がとても多かったのが印象的だった。
店に入ってきた時と、帰る時では
きっと少しだけ違う気持ちになったのではないかと思う。
玉村へビオ
1971年京都市生まれ
グラフィックデザイナーを経てフリーのイラストレータとして活動中
幼い頃なりたかった「昆虫博士」と少し形は変わったものの
今でも大好きな生き物や、もしかするとそこにもいるかも知れない
得体のしれない存在を描くことを得意とする
見る人が絵の動き、ストーリーを想像してしまうイラストを心掛け
ロゴマークや挿絵、キャラクター等の作品を制作
著書に「ヘビオの動物折り紙(日本ヴォーグ社)」がある
Hevio Tamamura Website
大阪府豊能町生まれ 20代前半に「おもしろそう」という理由でトロントへ渡りコーヒーショップで働き始める。カナダでの生活、人や文化、ヘラジカが好きになり、カナダ人になることを本気で計画するも、家の事情で実家の豊能町へUターン。 2014年、家業である中西商店を引き継ぎ、店舗の一角でEMMA COFFEEを開業。 2021年、中西商店を全面的に改装。あらゆる人が自由に過ごすことができる「公園」を作ることを目標に中西商店をリニューアルし、多様なイベントやプロジェクトを企画。同時にEMMA COFFEEを自家焙煎化し、オリジナル商品の開発やコーヒー豆の卸にも力を入れている。
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