北欧やバルトの音楽のコンサート企画などをされているHarmony Fieldsの小巖さんと、豊能町出身でキャンドル作家の入江さんをお招きして、エストニアと豊能町の暮らしについてのトークイベントを開催しました。
エストニアといってもほとんどの人がどんな国かというイメージが湧かないのではないでしょうか?
もともと旧ソ連に支配されていた国ですが、その後独立をして現在はIT先進国として有名で、オンライン通話アプリ「スカイプ」が開発された国であり、「e-government」と呼ばれる国民データベースが整備され、国民はICチップ付きIDカードによって全ての行政サービスを受けることができるなど、今最も世界から注目を集める国の一つです。
小巖さんからエストニアの国の歴史や現在の生活に関するお話、そしてご専門のエストニアの音楽の話をしてくださいました。特に興味深かったのは音楽の話と自然との関わり方です。エストニアには様々な地域の伝承歌があり、それを土台にしながら新しい音楽を作っているミュージシャンがたくさんいます。
民謡と現代音楽とミックスする手法はポピュラーですし日本でもよく耳にしますが、エストニアの伝承歌は日本人にとっては耳馴染みがないですし、エストニアには地域によってたくさんの伝承歌とその歌い手のお婆さんがいて、そのお婆さんの歌声とロックのサウンドが融合している曲は特に印象的でした。伝統音楽の要素を残しながら現代的なアレンジを加えていくところに素晴らしいセンスを感じました。日本でももっと聴かれるようになればいいと思います。
IT先進国として有名なエストニアですが、みんな自然が大好きだというところに親近感がわきました。休みの日や仕事の合間でも、少し時間ができたら山へいってゆっくりと時間を過ごす習慣があるそうです。
今回「暮らしを考える “エストニア×豊能町”」というテーマでお話をしていただいたのも、今豊能町やその周辺エリアではUターンやIターンで自然の中で暮らしながら新しいライフスタイルを模索する若者が増えているというところが、エストニアの若者たちとも共通する部分があるという事がきっかけでした。
豊能町で活躍する若者の一人として、キャンドル作家の入江さんに来ていただいたが、入江さんのキャンドル作りのテーマやアップサイクルの考え方もとても素晴らしく、僕自身ものすごく刺激になったし、これからの暮らし方を考えるいい機会になりました。
トークイベントの最後は入江さんのキャンドルと、ゲストで来ていただいたアコーディオン奏者のかとうかなこさんの演奏で締めくくられました。
キャンドルのほのかな明かりと、かとうかなこさんの「祈り」の演奏は本当に感動的な雰囲気でした。想像よりもアコーディオンの音の迫力がすごくて圧倒されました。心に直接響くような演奏とキャンドルの明かりで参加された方々も気持ちよく聴きいっている様子を見て、今回の企画をやってよかったなと思えるほっとした瞬間でした。
小巖 仰 (Harmony Fields)
大学卒業後、食品研究の会社に就職。
仕入先のスウェーデンで北欧音楽の出合い、2000年に音楽の事務所HarmonyFieldsを設立。
以降ヨーロッパを中心に、世界の伝統音楽や先住民族の音楽に
興味をもち、音楽家宅やフェスティバルを訪ね歩く。今まで20ヵ国以上、100以上の来日公演に携わる。
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かとうかなこ(アコーディオン)
大阪府豊中市出身。4歳からアコーディオンをはじめる。
全日本、全仏アコーディオンコンクール優勝。繊細かつ大胆な蛇腹扱いが最大の魅力。女性トップアコーディオン奏者として活躍。
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入江瑠美(いりえるみ)
「いりえのアトリエ」という屋号で活動。
お寺の廃蝋燭を再生し 大阪山奥の古民家にて 和の空間に溶け込むようなキャンドル・作品を制作。
大阪府豊能町生まれ 20代前半に「おもしろそう」という理由でトロントへ渡りコーヒーショップで働き始める。カナダでの生活、人や文化、ヘラジカが好きになり、カナダ人になることを本気で計画するも、家の事情で実家の豊能町へUターン。 2014年、家業である中西商店を引き継ぎ、店舗の一角でEMMA COFFEEを開業。 2021年、中西商店を全面的に改装。あらゆる人が自由に過ごすことができる「公園」を作ることを目標に中西商店をリニューアルし、多様なイベントやプロジェクトを企画。同時にEMMA COFFEEを自家焙煎化し、オリジナル商品の開発やコーヒー豆の卸にも力を入れている。
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